鹿児島での老人ホームの選び方と注意点

高齢者の中には、家族との死別や自身の老後への不安など様々な理由で老人ホームに入る選択をする人も多くいます。需要に伴って施設の数も増加傾向にありますが、それぞれ特徴や受けられるサービスが異なるため、しっかりと見極めなくてはいけません。

そこで今回は、鹿児島県で老人ホームを利用する場合の選び方や注意点について解説していきます。

老人ホームで行える簡単図工

鹿児島県内には数多くの老人ホームがありますが、一口に老人ホームと言っても施設によって利用料金や受けられるサービスは大きく異なります。入居後に後悔をしないためにも、事前にしっかりと準備をしなくてはいけません。

まず基本として挙げられるのが施設に入る目的と希望する生活などを明確にする作業です。利用者の中にはこの作業を行わずに、家族や周囲が決めた施設に何の疑問も持たずに入居を決めてしまう人も少なくありません。老人ホーム選びは入るまでの過程ではなく、入ってから快適に暮らせるかどうかが重要なポイントです。

親しくしていた友人が亡くなり生活の中で人との交流が減ったため、新たに友人が欲しくなった、一人暮らしで持病を患っていることへの不安、理由によって最適施設は変わります。最初に生活の不満と施設への希望を整理することでこの後の作業をスムーズに進めて行くことができるのです。

自身が老人ホームにはいる目的や入居後の生活のビジョンを明確にしたら、次に行うのが条件の見極めです。ここで挙げる条件とは、施設そのものを指します。いくつかある見極めポイントの中でも重要となるのが利用に対して発生する費用です。

民間企業が運営している有料老人ホームは入居時の初期費用や毎月決められた金額を支払う月額費用が必要となります。施設によっては社会福祉法人や自治体が管理する無料で利用できる老人ホームもありますが、これらは年齢や健康状態など定められた条件を満たしていなければ入れません。

そのため、健康面に問題がなく自立した生活が送れる人は有料老人ホームに限られてしまうので注意が必要です。費用に決められた基準はなく、運営する企業がそれぞれ自由に設定できる形となっているため、選ぶ施設によって金額が変わります。

たとえ月々数千円程度の違いでも5年、10年と長く利用し続ければ差額は大きくなるので、費用の内訳をしっかりと確認しておくことが大切です。

前述した費用と共に忘れてはいけないのが施設で受けられる介護サービスの確認です。介護を必要としている人にとって、サービスの充実度合いは生活の安心に繋がる大事なポイントです。一週間に入浴できる回数や常駐スタッフの人数、医療や介護食への対応や料金の有無などについて調べておくことが大切になります。

その時点で何らかの介護を受けている人は入居後も同じサポートが受けられるかも重要です。病気や肉体的な衰えもない健康な人はこの点をスルーしてしまいがちですが、老人ホームで暮らし続ける中で体調に変化が起きることもあります。

自分には関係ないと決め付けずに万が一に備えて知っておかなくてはいけません。

入居者の中にはそれまでと生活環境が変わったことで精神的にストレスが溜まってしまうケースも少なくありません。物事に動じない人もいれば変化に慣れるまで時間が掛かる人もいるなど、環境への適応能力には個人差があります。

環境が変わることに不安を感じる人は、できる限り同じ生活ができるようにすることが大切です。有料老人ホームの大半は専門のスタッフが料理を作るので自身で調理をする必要がありません。しかし、自炊生活が身についている人は自分で作れないことがストレスになってしまう場合もあります。

日常的に喫煙をする人にとって建物内に喫煙スペースの有無は重要です。快適な暮らしを左右する居住空間や共有スペースの設備の充実も老人ホームの見極めポイントになります。

老人ホームは施設によって入居者の自由な外出が認められている所もあれば、事前の申請による許可がなければ外に出られない所もあります。出入りが自由で頻繁に買い物や旅行などを楽しみたいという人にとって重要となるのが周辺環境です。

周辺にお店がなければ買い物などに不便を強いられてしまいます。遠方への移動も電車やバスなどの公共交通機関が近くになければスムーズに移動することができません。周辺環境の充実も老人ホームを選ぶ大事なポイントです。

外出のできない施設であっても、会いに来てくれる家族の負担を考慮して利便性の良い所を選ぶことが大切と言えます。

必要な条件の見極めについて把握ができたら、実際に老人ホームを探す作業に移ります。探し方は大きく分けてインターネット、地域を管理する自治体の2種類です。インターネットは比較サイトなどを利用すれば複数の施設から比較検討しやすいだけでなく、希望する条件に絞っての検索など利便性に優れているのがメリットになります。

ただし、インターネットに接続できる環境が整っていることが必須です。自宅にネット環境がない、携帯電話の複雑な操作が苦手という人は市役所や包括支援センターの利用が向いています。担当の職員に分からないことを質問してその場で解決できるのが利点です。

とはいえ、紹介できる施設が限定されてしまうため、条件にあう所を見つけ難いのがデメリットと言えます。

パンフレットには入居に必要な費用、受けられるサービスや備え付けの設備といった情報について確認をすることは可能です。しかし、これらの情報だけでは分からない点も多くあります。特に重要となるのが入居者同士の人間関係です。

同じ施設内で寝食を共にして日常的に顔を合わせる間柄である以上、良好な人間関係が気付けるかどうかは大事なポイントです。契約をする前に施設に足を運んで自分の目で確認をする、可能であれば体験入居を利用して実際に生活を送った上で判断をすることが失敗しない秘訣と言えます。

利用者の中には家族が費用を払うという理由で、施設を独断で決められて不自由な生活を強いられるというケースも多くあります。家族の意見に耳を傾けるのは大事なことですが、周囲の意見に流されてはいけません。実際に生活をするのは自分自身であるというのを忘れずに、譲れない条件などしっかりと自己主張をして、快適な老後を送れる老人ホームを探すことが大切になります。