老人ホームでは、脳を活性化させるために様々なレクレーションを行うことがあります。歌を唄ったり、クイズを出したり、できるだけ楽しみながら行えるレクレーションを意識することが大切です。なかでも図工は、指先をこまめに動かすために、脳の活性化には高い効果を発揮します。
そこで、老人ホームで簡単に行うことが出来る図工について解説します。参考リンク…老人ホーム探し
普段はゴミとして捨ててしまう牛乳パックとストローを使って、竹とんぼを作ることが出来ます。難しい作業はなく簡単に作ることが出来るので、手先が器用ではない高齢者にも、比較的簡単に作ることが出来ます。まず、中身を綺麗に洗った牛乳パックとストローを1本用意します。
牛乳パックを開いて、約1.5センチぐらいの幅に切ります。ストローの先は、タテに1.5センチに切り込みを入れます。そして、事前に切っておいた牛乳パックを半分に折ってから、ストローの切り込みに入れます。牛乳パックが外れそうだと心配な時には、テープなどを巻いて固定することが大切です。
後は、竹とんぼを飛ばして遊ぶだけです。昔懐かしい遊びをすることは、「回想法」といって、認知症を予防することや精神状態を穏やかなものにしてくれる効果があります。
図工を楽しんだ後は、ゲームをする楽しさもあった方が良いでしょう。牛乳パックを使えば、輪投げゲームを皆で楽しむことが出来ます。まず、牛乳パックを綺麗に洗い一番底の部分を約5センチぐらいに切っておきましょう。
この部分は台になる部分でもありますので、カラフルな紙などを貼っておくと目立ちます。そして、台の中央に穴を開けて割り箸などを立てておきます。そして、牛乳パックの余った部分を輪切りにして、輪として遊ぶと良いでしょう。
老化が進むと、集中力を維持することが困難になります。輪投げゲームをすることによって、遊びながら集中力を高めていくことも可能です。
万華鏡は、覗くだけで華やかな世界を楽しむことが出来るオモチャで、小さい頃に遊んだという人もいるでしょう。この万華鏡を自分で作ることが出来るとしたらどうでしょう。難しそうと感じる人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
身近にある材料だけで、簡単に万華鏡を作ることが出来るのです。筒の部分には、サランラップの芯を使います。片方をアクリル板で塞ぎ、プラスチックの板を3枚鏡の代わりとして、三角形に配置します。後は、もう片方を透明なアクリル板で塞ぎ完成です。
回す度にクルクルと変わる万華鏡は、高齢者の好奇心を刺激して、脳の老化を遅らせる効果も期待出来ます。万華鏡を作ることが時には、特に決まりを作らず、自由な発想を大切にすることが大切です。ビーズやラインストーンなども良いですが、ドライフラワーやボタンなどを使って個性的な万華鏡を作ることも可能です。
飲み終わったペットボトルを、ただ捨てるだけではもったいないです。空になったペットボトルを使って、けん玉を作ってみるというのも良い方法です。まず、ペットボトルは好きな長さに切ることが大切ですが、飲み口がついた方を使うことを忘れないようにしましょう。
そして、切り口は危ないので、ビニールテープで補強しておくことも大切です。そして、玉の部分は新聞紙を丸めたりして作っておくと良いでしょう。玉の部分には糸や紐をテープで張り、ペットボトルの飲み口の部分に通して、固定すれば完成です。
普段しない動きというのは、脳を活性化する要素を持っています。けん玉は、玉がどこに行くかわからないので、脳を十分に活性化してくれる効果が期待出来ます。
認知症の治療方法の1つとして、「芸術療法」というものがあります。作品を作ることにより、視覚や触覚など人間の五感に働きかけることが出来ます。卵の殻は、指先の感覚が鈍くなった高齢者にとって使いやすく、完成した作品は部屋や廊下に飾っておくことも出来ます。
卵の殻は、薄皮を綺麗に洗い流してよく乾かしてから使用することにしましょう。そして、絵の具で様々なカラーを塗って、更に乾かします。板には、あらかじめ描きたい絵を下書きしておいてから、糊をつけた卵の殻を貼っていきます。
一人ずつ作品を作るのも楽しいですが、大勢で1つの作品を仕上げるということも可能です。老人ホームでは、できるだけコミュニケーションをとることが大切です。卵のモザイクアートは、そのキッカケを作る要因になってくれるのです。
夏の暑い季節には、風車で気分転換するというのも良いものです。紙コップで簡単に作ることが出来る風車は、作る前にそれぞれ好きな絵や文字を書いたりして楽しむことが出来ます。紙コップに深く切り込みを入れて、花びらのように広げます。
そして、紙コップの底にキリで穴を開けて、竹串を差し込みます。尖った部分を切って、ストローを差し込みます。工作をすることは、高齢者の指先がどれぐらい動かすことが出来るのかを知ることにも繋がりますので、風車を作っている時には、指先に注目するのも良いでしょう。
老人ホームに入所している高齢者のなかには、家族や友人と離れた場所で暮らしている人もいます。手作りのフォトフレームに大切な家族や思い出の写真を飾ることで、気分も明るくなる可能性があります。作り方はいたって簡単で、飾りたい写真のサイズを段ボールに下書きして、その下書きより内側に約0.5ミリほどくり抜きます。
その裏にくり抜いてはいない段ボールを当てます。後は、マジックや絵の具で好きな柄を描いたり、マスキングテープなどを使ったりして、綺麗に飾った後は、写真をはめれば完成です。家族の話や懐かしい思い出などを話すことは、気持ちを明るくしてくれたり、血流をアップさせる働きもあります。
フォトフレームを作る時には、思い出話をしながら一緒に作るのも良いでしょう。
老人ホームで図工を行う効果は、身体機能と認知機能の向上です。年齢を重ねてくると、個人差はあるものの、身体機能や認知機能が低下してきます。図工をすることによって、指先を使ったり誰かと協力をしたりと、様々な刺激を受けることが出来ます。
そして、その刺激は脳を活性化させて、認知症を予防したり、症状を遅らせる効果を期待することが出来ます。